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◆ 顔面神経麻痺という苦悩
顔面神経麻痺(ベル麻痺)で「鏡を見るのが辛い」、「人前で笑顔を作るのが怖い」などとお悩みの方がおられると思います。
顔面神経麻痺は自然に回復するケースもあると言われていますが、麻痺が残ってしまったり、麻痺の回復に時間がかかったり、後遺症(顔のひきつり、異常共同運動など)に悩まされるケースも少なくありません。
一般的な治療法として、ステロイド薬や抗ウイルス薬、リハビリテーションなどが行われていますが、「他に何かできることはないだろうか?」と、藁にもすがる思いで情報をお探しの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、そうした悩みを抱える方へ、私が専門とする「アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティック」が末梢性の顔面神経麻痺に対してどのような可能性を秘めているのか、そして、それを裏付ける海外の論文・研究や、当オフィスでの実際の症例もご紹介しながら、詳しく解説していきます。
注:脳出血などで起こる中枢性の顔面神経麻痺に関しては、ここでは触れません。
◆ 顔面神経麻痺とは?~症状と一般的な原因~
顔面神経麻痺は、突然顔の片側が動かなくなる状態で、うまく笑えない、額にシワを寄せられない、まぶたが閉じられない、口笛吹きがでできなくなるなどの問題が起こります。顔の表情筋を動かす顔面神経(第7脳神経)が、何らかの原因で機能不全に陥ることで発症します。最も多いのは「ベル麻痺(Bell’s palsy)」と呼ばれる突発性のものです。発症の原因は未だはっきり解明されていませんが、以下の要因が関連すると考えられています。
- 神経や血流障害: 顔面神経への栄養供給不足
- ウイルス感染: 特にヘルペスウイルスが関与すると言われています。
- ストレスや免疫機能の低下: 神経の炎症を引き起こす可能性があります。
◆ アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックとは?
北川カイロプラクティックが提供するアトラス・オーソゴナル・カイロプラクティック(Atlas Orthogonal Chiropractic: AO)は、首の骨、特に頭を支える一番上の骨であるアトラス(第1頚椎)の調整に特化した、非常に繊細で精密なカイロプラクティックの調整法です。この施術法は、アトラス(第1頚椎)のわずかなズレを特殊な器具と技術で調整することで、体全体のバランスを整え、脳と身体をつなぐ神経伝達の通り道(上部頚椎の環境)を最適化します。一般的なマッサージやボキボキ鳴らすような調整とは一線を画します。施術は痛みなどもなく、とてもやさしい力で行われます。
アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックを行なうためには、正確なアトラスの位置を細かく把握し、その人に固有のズレを特定するために、専用に撮影されたレントゲン写真が必要になります。ここ日本では、医師しか撮影することのできないレントゲン写真ですが、当オフィスでは、同じ一宮市にある提携医療機関にて協力をいただき、初回の施術前に必ず撮影をさせていただいております。これにより、安全かつ最大限の効果を発揮する施術計画を立てることが可能になります。
詳しくは当HPのカイロプラクティックのページをご覧ください。
◆ 顔面神経麻痺と「首の一番上(アトラス)」の密接な関係
1. 顔面神経と「脳幹」、そして「アトラス(第1頚椎)」
顔面神経(第7脳神経)は、脳の中でも特に重要な部分である脳幹(のうかん)から出て顔面に分布します。脳幹は生命維持に不可欠な機能や、12対ある脳神経の多くがここから出入りする、とても重要な部位になります。
「グラント解剖学図譜」より
そして、この脳幹は頭蓋骨の真下、つまり首の一番上にある骨(第1頚椎:アトラス)のすぐ近くに位置しています。
もし、このアトラス(第1頚椎)がわずかにズレたり歪んだりしていると、その周囲の環境に悪影響を及ぼし、間接的に脳幹の機能や、そこから出る顔面神経の働きに影響を与える可能性があります。頚椎の歪みやズレが脳神経の伝達や循環に影響することも明らかになってきています。
2. 椎骨動脈と脳幹への血流の重要性
アトラス(第1頚椎)の周りには、脳に血液を送る非常に重要な血管である椎骨動脈(ついこつどうみゃく)が通っています。この椎骨動脈は、脳幹・小脳への血液供給の多くを担っています。- 最新のCTやMRIも、椎骨動脈の90~95%以上が脳幹や小脳への血液供給をしていることを示しています。
顔面神経麻痺は、神経への血流不足や炎症が原因となることが多いため、アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックによってアトラスが的確に調整され、椎骨動脈が解放され、脳幹周辺の血流が改善することは、顔面神経の回復環境を整える上で極めて重要だと思われます。
◆ 海外の論文などから見るアトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックの施術効果
残念ながら、ここ日本においてはアトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックの顔面神経麻痺に対する有効性に関する論文を見つけることは難しいのですが、米国やオーストラリアの複数の症例報告によると、アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックを受けた顔面神経麻痺の患者の多くが、症状の軽減や回復を経験しています。実際に「ベル麻痺」の患者ケースでは、アトラス(第1頚椎)の調整後に顔面麻痺の改善が認められたほか、目の開閉、口角の高さ、笑顔の回復などが報告されています。また、三叉神経痛(顔の激しい痛み)でも、この施術が有効だった症例が存在します。(1,2,3,4,5)1. 代表的な報告
-
顔面神経麻痺で悩む47歳女性が、頚椎のC1/C2調整後に目や口が大きく開くようになり、1年以上症状が大幅に改善したとの報告。(1)
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慢性の三叉神経痛患者5名のケースでは、4名が痛みの軽減、2名は完全消失、3名は薬の量が減ったという結果。(4,5)
2. 椎骨動脈と脳幹の血流

「神経局在診断」より
アトラス(第一頚椎)は椎骨動脈という太い血管に囲まれており、この動脈が脳幹・小脳への血流の多くを担っています。椎骨動脈とアトラスの位置関係が乱れることで、脳幹への血流が障害されて様々な神経症状が出やすくなります。最新のCTやMRIも、椎骨動脈の90%以上が脳幹への血液供給をしていることを示しています。(6,7,8)
また、アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックの調整後に椎骨動脈の血流量が約20%改善したという臨床報告もあり、脳幹の神経伝達や治癒力に有益だと考えられています。(9,10,11)
| 脳幹血流 | 供給割合 | 引用 |
|---|---|---|
| 椎骨動脈 | 90~95% | (6,7,8) |
| 内頚動脈 | 5~10% | (6,8) |
◆ 【最重要】レントゲンによる画像の確認が必要な理由
アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックでは、安全かつ効果的な施術を行うために、レントゲン(CT)撮影が必要となります。- 正確な骨の位置把握: アトラスの微細なズレは、肉眼や触診だけでは正確に判別することができません。人それぞれ異なるアトラスのズレを細かく把握するには、精密な画像情報が不可欠となります。
- オーダーメイドの施術計画: レントゲン分析によって、患者様個々の状態に合わせた、最適な調整の方向や角度を導き出します。これにより、的確なアプローチが可能となり、身体への負担を最小限に抑えながら最大の効果を目指します。
- 安全性の確保: レントゲン写真を事前に確認することは、正確な調整の方向や角度を導き出すだけでなく、奇形などの確認なども含めて、施術の安全性を高める上で極めて重要な要素となります。
◆ 実際の症例
症例1(60代男性)
発症後1ヶ月間入院し、薬などで少し回復したようですが、「その後1ヶ月ほど経ち、来院されました。
初回来院時(発症から約2か月後)の表情筋スコアは40点満点中12点。
1回目の施術後から4日後の2回目の施術前に「
その後、数回の施術後の約2か月後に再度スコアをとってみると20点まで改善。
その後も定期的にチェックをしながら、2か月後ぐらいのタイミングで、「だいぶ顔も戻ったし、
以降、定期的にチェックをしておりましたが、自覚的にも他覚的にも全く気にならない状態まで回復し、その後もメンテナンス的に定期的なチェックをしております。
症例2(50代男性)
発症後1週間半の入院から、退院後間もないタイミングで来院。初回の表情筋スコアは22。
2週間後、4回目施術時に「ウインクがほぼできるようになった、自覚的には左右差ほぼない」とのことで再度検査をしたところ、29点。
定期的なチェック・施術を行い約2か月後の再検査で34点。
その後、数か月後には40点満点中40点まで回復し、現在も定期的なチェックのためにメンテナンスで通っていただいております。
◆ よくあるご質問 Q&A
Q1: 麻痺から時間が経っていても効果はありますか?
発症後、少しでも早く始めるのが理想的ですが、麻痺が長期間経過している場合でも、アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックによって神経や血流の環境を改善することは可能です。後遺症(異常共同運動など)の軽減にもつながる可能性がありますので、まずはご相談ください。ただ、時間の経過とともに改善が難しくなることも事実ですので、早い段階での対応をお勧めします。Q2: 施術は痛いですか?
当オフィスでの施術の際に痛みを感じることはほとんど無く、小さなお子様やご高齢の方も安心して受けていただいております。ただ、お体の状態を確認するために様々な検査を行います。その際に多少痛みを再現させる場合がありますが、状態をみながら慎重に行いますのでご安心ください。
Q3: 薬やリハビリと並行して行っても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックは、顔面神経麻痺の根本的な回復環境を整えることを目的としており、従来の治療法と組み合わせて行うことで、相乗効果が期待できると考えられます。Q4: 誰でも施術を受けられますか?
重篤な疾患や手術直後など例外もありますが、顔面神経麻痺でお悩みの方の多くが施術可能です。レントゲンの安全性や必要性についてもしっかりと説明させていただきますので、ご安心ください。Q5: 保険は使えますか?
現在、日本ではカイロプラクティックに対して保険は適用されませんので、すべて実費治療となります。◆ あきらめないでください
顔面神経麻痺(ベル麻痺など)は、多くの方が悩むつらい症状ですが、アトラス・オーソゴナル・カイロプラクティックはその根本的な改善方法の一つとして、当オフィスの他、世界各国でも症例報告があります。椎骨動脈や脳幹への血流改善が、顔面神経を含む神経症状の回復につながる点も科学的に支持されています。
北川カイロプラクティックでは、精密なレントゲン分析に基づき、根本的な問題を解決することで、あなたの自己回復能力を最大限に引き出すお手伝いをしたいと考えています。
お悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。
【引用・参考資料など】
- 1.https://www.kcucs.com/images/pdf/bells-palsy-and-the-upper-cervical-spine.pdf
- 2.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3315868/
- 3.https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1550830723001234
- 4.https://researchportal.scu.edu.au/esploro/outputs/journalArticle/Atlas-Orthogonal-Chiropractic-Management-of-Trigeminal/991013125213702368
- 5.https://atlasorthogonality.com/wp-content/uploads/2024/08/EXPLORE-D-23-00338-1.pdf
- 6.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10296927/
- 7.Vertebrobasilar system variations; Analysis with multi-detector CT angiography
- 8.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2735647/
- 9.https://publishing.emanresearch.org/CurrentIssuePDF/EmanPublisher_5_5540biosensors-319795.pdf
- 10.https://atlasorthogonality.com/wp-content/uploads/2021/11/Bow-Hunters-Syndrome-following-AO-care…_.pdf
- 11.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30846915/
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