足は「体の土台」です。建物でいえば基礎にあたる部分であり、ここが不安定だと、膝・股関節・腰・背骨と連鎖的に歪みが生じてきます。当オフィスが取り扱うのは、アメリカの足病学(ポダイアトリー)とバイオメカニクスの理論に基づいて設計された機能的インソールです。靴屋さんやスポーツ店で売られている「クッション性の高い中敷き」とは、目的も設計思想もまったく異なります。
足首から先には、体の1/4の骨が集まっている
ヒトの祖先が直立二足歩行を獲得したのは、およそ1,000万年前といわれています。足首から先の部分だけで26個(種子骨を含めると28個)の骨から構成され、30を超える関節を持つ、非常に精巧な構造体です。体全体の骨の数がおよそ200個ですから、両足だけで全体の4分の1以上の骨が集中していることになります。
また足には3つのアーチがあり、このアーチ構造が足の弾力性を生み出し、優れた運動能力を支えています。このアーチ構造は直立二足歩行する人類固有のもので、チンパンジーなどの類人猿にもなく、赤ちゃんにも生まれた時点ではありません。直立して大脳を発達させた人類特有の構造なのです。
足が本来持つ2つの機能
①「柔らかい足」(回内/プロネーション)
踵が着地した瞬間、足部の骨の結束が緩み、着地の衝撃を吸収しながら地面の凹凸に適応します。
②「硬い足」(回外/スピネーション)
体重が乗った直後から骨の結束が固まり始め、地面を力強く蹴り出すための硬い台となります。この2つの切り替えがスムーズに行われてこそ、理想的な歩行・走行が実現するのです。

現代人の8割以上に見られる「過剰回内(オーバープロネーション)」

ところが現代人の約80%以上が、この「柔らかい足から硬い足への切り替え」がうまくできない状態にあるといわれています。踵が着地してから、本来やってくるはずの回外(硬い足)への移行ができないまま、足部全体が内側に崩れ続けてしまう状態——これを過剰回内(オーバープロネーション)といいます。
過剰回内の足では、踵の周りの関節(距骨下関節)が動き過ぎることで、足のアーチを固定するはずの横足根関節(MTJ)の「ロック」がかからなくなります。アーチが崩れ続けた足は、いわゆる「扁平足」に近い状態になります。ただし、見た目には気づきにくいケースも多くあります。
さらに、この過剰な動きは骨盤を伝わり背骨にまで波及するため、影響は足だけにとどまりません。私たちの体はその過剰な動きを抑えようと多くの筋肉を収縮させ続けるため、足が疲れやすくなったり、慢性的な障害が起きやすくなったりするのです。
なぜ足の問題が全身に波及するのか?「キネティックチェーン(運動連鎖)」
アメリカの足病医学では、足・足首・膝・股関節・腰椎を一連の「キネティックチェーン(kinetic chain)」として捉えます。足がその土台として正しく機能しなければ、歪みは上へ上へと連鎖していきます。
AAPSM(アメリカ足病スポーツ医学会)の資料によると、距骨下関節が過剰に回内すると、それに連動してスネが内旋し、膝の追従が乱れ、大腿四頭筋が斜め方向に引っ張られることで膝前面の障害リスクが高まります。さらに骨盤の傾き・腰椎の歪みへと波及し、腰痛・肩こり・首の痛みにつながるケースも少なくありません。
「足の問題なのに、なぜ腰が痛くなるの?」という疑問は、この連鎖で説明できるのです。
過剰回内が主な要因となる症状
過剰回内は足だけでなく、下記のような幅広い症状の背景要因となります。
足・足首
- 足底筋膜炎(足底腱膜炎)…朝の起床時、最初の一歩の踵が痛む。アーチに沿った痛み。長期化すると踵骨棘を発症するケースも。
- 外反母趾…足の親指の付け根が変形・炎症を起こし、動作範囲が減少する。
- モートン病(モートン神経腫)…第3・第4中足骨間を通る神経への刺激による灼熱感・しびれ。
- 中足骨痛症(メタタルサルジア)…前足部底面の痛みや圧痛。
- アキレス腱炎…踵の後部の痛みや灼熱感。過剰回内によるアキレス腱への疲労・負荷増加が原因となる。
- ハンマートゥ…つま先関節の拘縮。足を安定させようとつま先を掴む動作が関与する。
- 扁平足・開帳足、足首の捻挫の繰り返し、タコ・ウオノメ
膝・股関節・スネ
- 膝蓋大腿骨ストレス症候群(ランナー膝)…過剰回内に伴う負荷増加と、腱・靭帯の疲労による膝の痛み・違和感。
- 腸脛靭帯症候群(ITバンド症候群)…過剰回内による筋肉の弛緩が大腿骨頭部の摩擦をひきおこす。
- シンスプリント…すねの内側の痛み。着地時の衝撃と過剰回内の複合による慢性障害。
- O脚・X脚の傾向、股関節の違和感・痛み
腰・背中・全身
- 腰痛(腰椎への代償的なアライメント不良)
- 骨盤の歪み・左右差、姿勢不良・疲れやすさ
- 肩こり・首のこり
足底筋膜炎(足底腱膜炎)だけで年間100万件以上のアメリカ外来受診があるとされており(PMC論文, 2016年)、その大半でインソール療法が有効とされています。APMA(アメリカ足病医師会)は、踵・アーチの痛みに対し機能的インソールによるバイオメカニクス補正が、手術を必要とせず大多数の症例で改善効果をもたらすと説明しています。
ファンクショナルインソール(機能的インソール)とは
機能的インソールは、骨の変形や不整列、筋肉の機能不全などの原因によって起こる不適切な歩行パターンを正したり、それに伴う下肢の傷み等の緩和を目的とした、靴の中に入れて使う装具のことをいいます。機能的インソールは、足の構造を変えるのではなく、足から体にかかる異常な力をコントロールして、足が本来持つ機能を回復させるものです。機能的インソールにより、足から体に加わる不安定な力を減らして体と足から安定させ、またカイロプラクティックの施術により、関節と筋肉に本来の機能を回復させることで、様々な諸症状を効果的に改善させることが出来ます。


この機能的インソールと靴屋さんやスポーツ店などで扱っている中敷きとでは機能が全く違います。中敷きは靴の履き心地を良くしたり、クッション性を高めるために使われるものが多いですが、機能的インソールは足が本来備えている衝撃吸収性の回復をはじめとする足の機能改善を目的とし、足を起点とする全身の構造的バランスを安定的に保持させるものなのです。当オフィスでは、既製品はノースウエストポディアトリックラボラトリーNWPL社製のLifeOTC、カスタムはスーパーフィートSuperfeet社製のカスタムインソール(在庫分のみ)を取り扱っております。
これらはアメリカの足病学とバイオメカニクスの理論を基に、足がよりよく機能するように設計されています。
AAPSM(アメリカ足病スポーツ医学会)のウィリアム・R・オルセン DPM(1999年同学会会長)は、「機能的インソールの目的は、アーチを支えることではなく、歩行周期を通じて足を正確に位置づけ、正しい機能を促進することにある。それがデパートやスポーツ店で売られているアーチサポートと根本的に異なる点だ」と述べています。
主な取り扱いラインナップ
LifeOTC(既製品)
【22,000円】
医療用足底挿板のノウハウから生まれたインソール。厚さ2㎜の極薄形状と最小19gの超軽量設計。3/4レングスタイプなので靴の選択肢も広く、幅広い用途で使用できます。
カスタムフィットシリーズ
【カスタムブラック:14,500円】
スポーツシューズからカジュアルシューズまで、薄くて軽い汎用性に優れたモデル。
成形時間:約15分
【カスタムカーボンオールシーズンシン:22,000円】
カーボン素材を含有したカスタムモデル。硬度の高さが究極のサポートと衝撃吸収性を実現。
成形時間:約15分
チルドレンズOTC(Northwest)

【4,600円】
7段階のサイズ別に色分けされたカラフルなオーソティックは、子供のためのオーソティックとして欠かすことのできない要素で構成されています。足の健康と治療に取り組む専門家のみは扱うことのできるチルドレンズOTCは、オーソティックを使用した子供のための治療における新しいスタンダードです。
その他のモデルやソックスについても取り扱い可能です。
また、チーム単位での導入についてもご相談ください。
カイロプラクティックとの組み合わせで、より高い効果を
機能的インソールは、足から体に加わる不安定な力を減らし、全身を足元から安定させます。そこにカイロプラクティックの施術を組み合わせることで、関節と筋肉に本来の機能を回復させ、さまざまな症状をより効果的に改善することが期待できます。
「インソールで足元の土台を整え、カイロプラクティックで脊椎・関節の連鎖を整える」——この2つのアプローチが組み合わさることで、対症療法にとどまらない根本からの改善を目指します。
こんな方は、ぜひ一度ご相談ください
- 朝の起床時、最初の一歩の踵が痛い
- 長時間立ったり歩くと、足の裏・土踏まずが痛くなる
- 外反母趾がある、または進行している
- 膝の痛みがなかなか取れない
- 腰痛が続いている
- 足が疲れやすい、夕方になると足がむくむ
- スポーツでシンスプリントや捻挫を繰り返す
- 靴のかかとが、左右で偏った減り方をする
- 子供の足(扁平足・内股)が気になる
【参考・根拠となる資料・機関】
・APMA(American Podiatric Medical Association)「Heel Pain」https://www.apma.org/heelpain
・AAPSM(American Academy of Podiatric Sports Medicine)「Choosing Orthotic Materials for Proper Foot Support」William R. Olsen, DPM (1999) https://www.aapsm.org/orthotic-materials.html
・AAPSM「Causes and Treatments of Patellofemoral Dysfunction」https://www.aapsm.org/patellofemoral-dysfunction.html
・PMC(PubMed Central)「Orthotics Compared to Conventional Therapy and Other Non-Surgical Treatments for Plantar Fasciitis」2016年 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4742336/
・ashinavi「オーバープロネーション(過剰回内)大全」https://ashinavi.com/foot-blog/column/allofoverpronation/
・臨床足装具学(書籍)













